こうして日曜日は死にました

推しピのプレが分かんないオタク

沼でもハマらない(Being at home with Claude~クロードと一緒に~ 昼夜)

※4月23日大千秋楽行ってきて、台詞だいぶ違ったので、修正します。(修正しました)

 

Being at home with Claude~クロードと一緒に~

2015年4月17日~4月23日@シアタートラム

<出演>

「彼」:自首してきた若い男娼。

松田凌

刑 事:殺人事件の取り調べを行う。

速記者:刑事のアシスタント。事件の調書を作成するため取り調べの記録を行う。

山口大地唐橋充

警護官:裁判所の警備にあたっている。年齢不詳。

鈴木ハルニ

f:id:nggggg:20150421022714j:plain

 

※R15作品なので、そういう描写が出てきます。

 

苦手な人は読まないように気を付けて。

 

 

 

 

 

クロードと一緒に18日マチソワ行きました。

※その後、予定にはなかった23日大千秋楽も行きました。

チケット取ってからずっと待ってた作品。当日までドキドキで心臓が痛い日々だった。

 

「刑事」と「速記者」を大地くんと、唐橋さんが入れ替えで演じるスウィッチ・キャスティングなので、丁度マチソワで違ったので、マチソワでチケット取って行きました。

 

ステージ上は斜めになってて、不思議な形をしてた。

マチは唐橋さんが刑事で、席はYだったから前方の真横(下手側)だった。

大地くんが刑事のソワレは、正面後方下手側。ステージの前方に机があって、上手側にもう一つ机がある。

Y席がある下手側は特に机とかなしだったので、目の前に来ると凄く近いし、はっきり見える。

ただ、上手の机に行かれると、表情が見えなさそうだなって始まる前から思ってました。

 

始まる前、音楽はかからないし、客席も喋らないのでとにかく静か。

そこにいることすら耐えられないくらい静かで、息するのさえ許されないかと思った。

始まってないのにすでに息苦しさが漂う雰囲気で、あんな静けさを普通では体験できないと思った。ある意味貴重。

あまりにも息苦しいので、早く始まってくれないかなと。この空間から早く脱したかった。

 

10分くらい待ってると曲がかかって、ライトが消えた。

凌くんが出てきて、その後他の出演者も出てくる。

刑事とイーブが睨み合って、カーンってゴングが鳴って始まり。

 

話の内容は上手く言えない、説明できない。

もうとにかく一言で言うなら「圧巻」

凄いとかそういうのじゃない…何て言うんだろう、難しい。

 出演者のファンなら、観ないと一生後悔するだろうなって作品でした。 

 

覚えている台詞を箇条書きに。言った順番はめちゃくちゃです…。

ただ、合っていない部分も多いと思うので、なんとなくこんなこと言っていた程度で読んでください…一文字一文字覚えることができない。

あと、言ってる意味違うよ!だったらごめんなさい。ほんと。

早口で結構聞き取れない個所多くて…頑張ったんですけどね…。

唐橋さんの時と大地くんの時とごっちゃですけど、台詞なのであんま変わらないです。

公式さん、早く台本発売してください。頼みます。 

 

◇◇◇

 

刑事「それで、お前はいつ俺たちに話してくれるんだ!」

彼「もう…何十回言わせるんだよ!いいか、録音と録画して、僕が言うこと一字一句逃さないように地図にも書いとけよ!」

 

彼「この時ずっと走っていたことに気がつく、と同時に、走っていたことに気がつかなかったことにも気がつく」

 

刑事「で、お前はジャリ駅から電車に乗って、ボナヴァンチュール駅で降りた。それから、フェンスに座った?」

彼「そうだよ」

 

刑事「そこに立つとポリ公に写真撮られるぞ。さっきから3回もそこに立ってるだろ」

 

刑事「山に何しに行くんだ?」

彼「はぁ?何それひっかけ?僕のことそうやって遊んでんの?」

刑事「何しに行くんだろうな?男の喉かっさばいてから、こんな真夏に山に何しに行くか教えてくれませんかね?」

彼「真夜中の暑い日に山に何しに行くかだって?セックスに決まってんだろ!?」

 

刑事「もう36時間だぞ!?土曜の深夜にお前が俺たちを呼び出して、今何時だと思う?月曜の朝だ!それなのに話は土曜日からまったく進んでいない!『名前は?』『言いたくない』『職業は?』『ファック!』『何でその仕事をしている?金の為か?』『男娼は生きること』」

 

彼「そいつ出て行けよ!」

刑事「こいつが出て行ったらお前は自分の名前も殺されたあの人の名前も言うんだな!?

彼「そいつ薄気味悪いんだよ!!さっきから書いてばっかりで何も喋らないし、あんたはそれを読んでない!珈琲のズズッて音だけ出して…気味が悪いんだよ…」

 

彼「あの人の家だよ」

刑事「あの人?」

彼「あの人だよ」

刑事「外傷者の名前は…」

彼「やめろ!!軽々しく呼ぶな!!」

刑事「自分の名前は言わない、外傷者の名前は呼ぶな。俺たちにどうしろってんだ」

 

刑事「もう少しで誕生日なのか」

彼「なんで知って…」

刑事「いい名前だな」

彼「……」

刑事「イーブ」

彼「……」

刑事「俺たちがバカで間抜けな警察官だと思ったのか?こいついつ名前言ってくれるのかな〜って待っているとでも思ってんのか?馬鹿にするのもいい加減にしろ!」

 

刑事「扉の向こうに、姉さんがいたらどうする?」

彼「…ねぇ、あんたのメンツ潰してあげようか?」

刑事「どうぞ?」

彼「姉さんは車で片道3日もかかるところへバカンスに行っているんだ、だから今ここにいるはずがない」

刑事「……それで、家に帰ってきてから」

彼「ねぇ!」

刑事「…何だ」

彼「さっきの話…日記の話って本当?」

刑事「気になるのか」

彼「…別に」

 

刑事「彼の彼女は」

彼「はあ?あの人のなんだって?」

刑事「彼女、ガールフレンドだ」

彼「嘘だ!!でっちあげだ!」

刑事「嘘?こんな男前、女が離してるわけねーだろ。お前は彼に彼女がいたことすら知らなかった」

 

刑事「彼が男と寝る男か聞いたら、彼女、顎外れるくらい絶叫したんだってよ」

 

刑事「部屋の中から外傷者以外に2つ指紋が出てきた。ひとつはお前ので、もう一つは彼女のだ」

 

彼「彼女の名前」

刑事「は?」

彼「彼女の名前だよ」

刑事「お前が質問するんじゃない!俺が質問する側だ!お前は俺の質問に答えるだけでいいんだ!」

 

刑事「彼女が言ってたよ、殺した犯人は……、キチガイだ!って叫んでたよ!俺もそう思うね」

 

刑事「死んだ男は近くに置いてあったナイフで喉をかっきれられてる。男は全裸でイッているからレイプじゃない。服が破られた形跡もない」

 

彼「その日は眠れなかった」

刑事「それでなんだ?マリファナでもやったのか?」

彼「する日もあるけど、その日は気分じゃなかった。顔を洗ってすぐにベッドに戻って羊を数えて寝たよ」

 

刑事「お前は隣の家の女の電話を借りた。そのお礼にとマリファナをプレゼントした、クリスマスまでずっとラリってられるくらいにだ!おかげでその女、自分の名前も言えなくなっちまったよ」

 

彼「フェンスに座ったら町が見えて、家の中が見えた。テレビを見ているようだった。金持ちになりたかった。父さんが子供の頃、おじいちゃんは金持ちだった。ルイ13世からもらった家具が一式揃ったアパートが1件あった」

 

刑事「匿名で男が死んでいると通報があった。駆けつけると男が仰向けで全裸で大の字で死んでいた。部屋中にはお前の指紋だらけ、でも凶器のナイフにはお前の指紋はなかった。テーブルの料理には血がびっしりで、料理は血がつく前には冷めていたと分かった」

 

刑事「いいか、今度客を取るときは毎日買った男の名前と金額を日記に取るような文学少年はやめておけ。日記からイーブと言う名前が6月1日から1日1ページ出てくる。出会ったのは前日か?」

彼「日記…?」

 

刑事「1行に1回イーブと言う名前が出てくる、それはお前のことか?」

彼「さっきは1ページに1回って言った」

刑事「どっちも一緒だ」

 

彼「あの日は万博もあって、観光客がたくさんいたから、広場のやつらと『ケツの穴が3つあっても足りない、かきいれ時だぜ!』って。それを話したけど、笑ってくれなかった」

刑事「どうしてだ」

彼「ただギャグとしてはつまんなかっただけ」

刑事「そうか?俺は結構面白かったぞ」(←この台詞は大千秋楽でした)

 

彼「少し寝た」

刑事「少しってどれくらい」

彼「いや、寝てない」

刑事「寝てない?木曜日の朝から金曜日のお昼までか?」

彼「違う、胃が痛かったんだ!こう、刺されているような痛みで!本当だ!僕は嘘なんてついてない!どうせまたラリってるとでも思ってるんだろ!?違う、僕は本当に痛かったんだ!朝起きてもこう、寝ているのか寝ていないのか分からない、こういう気持ちってあるだろ?眠いのか眠くないのかもう分からなかった」

刑事「胃はもう大丈夫なのか」

彼「うん…今はもう大丈夫」

 

彼「僕の家の時計は進んでいるんだ。何時かなんて分かんないよ。多分11時頃かな」

 

彼「どうしてそうやって、話を無理矢理全部繋げようとするかな…」

 

刑事「学力もあって、男前で、真面目な文学少年と、お前みたいな世の中のクズが出会うなんてありえない。彼は友達がいくら借りたか全部書いてた、彼女のもだ。それなのにそこにお前の名前はない、マリファナとアルコールの検出もされてない。それならどこでお前らは出会うんだ」

 

刑事「OK、もう一度最初っから話をしよう。お前の名前はイーブ、でいいな?そして殺されたのは、クロード」

 

刑事「駅で電話をかけたんだな?」

彼「うん」

刑事「それからフェンスに座って、しばらくしたらそこから走って公園まで行って電話をかけなおした。どうしてそこの公園まで走ったんだ」

彼「分かんない。なんとなくだよ、なんとなく、なんとなく走ってたら公園だった」

 

刑事「前の日から次の日の朝まで起きていた?おいおい、大の大人が寝るには随分足りないな?」

 

刑事「俺はお前みたいなやつをこれでもかってくらい見てきた。学費が払えなくてやり始めて、払った途端辞めたやつ。ご飯が食べられなくてやり始めたやつ。ラリってるときにヤったらハマって抜けられなくなったやつ。ビールを飲むためだけに始めたやつもいた。金持ちで暇つぶしのためにやってるやつもいる。こっちも可愛いと思うやつ、引くような50代のおっさんもいた。外見も歳も関係ない。デブハゲお前何回殴られた?ってくらい不細工なやつ。そんなやつらを見てきて、俺の向かい側でそいつらを見て俺は目ん玉落ちるんじゃないかってくらい堪えるんだよ、泣きそうなのを。今すぐこいつらを抱きしめたいっていう感情を。だけどお前みたいなやつは違う!お前みたいなどうしようもないこの世のクズを俺はこの世界で!お前だけだって!お前しかいないんだって思いたいし、もう二度と会いたくない!」

 

彼「僕らは出会ってまだ2、3ヶ月だったけど、この関係がずっと続くとは思わなかった。あの人はケベック独立運動の活動をしてて、その話になると別人のようだった。彼は独立運動の集会には参加してたけど、それを僕の前で話すことはなかった」

 

刑事「それが何だ?」

犯人「何?…だから寝た、起きた、顔を洗った、また寝た、意味なんてないよ!!」

 

彼「彼の友達から電話がきた。奥で女が発狂したように叫んでた。花火の音と一緒にブーイングをしないかって誘いだった。でも、彼は断った。大事な用があるからって、…僕を見ながら!僕を見ながらだよ!その時、彼は友達より僕をとったんだ。…幸せだった、彼は活動よりも僕を優先してくれたんだ」

 

彼「広場のやつらが来たと思ってすぐ立ち上がった」

刑事「何分くらいそこにいた?」

彼「わかんないよ、2、3分かな」

刑事「それで?」

彼「ラリってるやつらだと思ったけど、観光に来たテンションの高いアメリカ人だった。そいつらがこっちに歩いてきた」

刑事「お前に話しかけるためにか?」

彼「違う。馬車に乗りたがってた。そしたらその中でも男前のやつが一番酔っ払ってた。隣に座ってくれって言われたから座ってやった。一緒に家に来ないかって言われたけど、お金がかかるよって言ったら、いくらって聞かれて値段を言ったらその場で全額払ってくれた。タクシーを捕まえて、男前は仲間に先に帰るって言ってた。家に着いてすぐにヤると思ったら違った。僕はそういうまどろっこしいのは嫌いなんだ!そんな触りあったり長く時間をかけるよりさっさとヤりたいんだ!でも男前は地図で公園はどこだとか聞いてきた。二人で広場の奴らと発展場のやつらの違いを話した。発展場のやつらはヤりたいだけなんだ!って言ってた、演説もしてくれたけどよっぽど酔っていたんだろうね、何を言っているのかよく分からなかった。そのうちベッドへ行こうと言ってベッドへ行くと、男前は寝始めた。僕は服を脱がして布団をかけてしばらく寝顔を見てた。それから部屋を出て、もらったお金を机の上に置いた。こんな気持ちはじめてだった。何があってもお金を返すなんて今までなかった。食べ放題と同じだよ、食べても食べなくてもお金を払う。それなのに僕は何故か男前にお金を返した。もうケツは売っちゃ駄目だって思った。男娼をやめよう、って。それから歩いて家に帰った。酷く頭痛がした」

刑事「…終わりか?俺の番か?」

彼「うん」

刑事「お前のそんな妄想に付き合ってるほど時間はねぇって言ってんだろ!カナダの成り立ちまで話されたりしたらどうしようかと思ったぜ!」

彼「何でそうなるんだよ…」

刑事「お前が言っているその時間、お前の広場の同僚はこう言っている。お前がマリファナを吸いまくっておかしくなるくらいにラリってたってな!」

彼「同僚?さっきまで僕がどこで売っていたかも知らなかったくせに!」

 

彼「僕はマリファナをやってラリってこんなこと言ってるわけじゃない!あんたたちはラリってる馬鹿だとでも思ってるだろうけど違う!!……全部話しただろ?」

 

彼「落ち込んでいる相手に対して、全然気にすることないよって笑うんだ。上手く笑えた時は、熊の毛皮の上で大の字になって寝る。上手く笑えなかった時は、つま先立ちになって客が寝ている横を通って家を出る。こいつは僕の奉仕に見合わない額を出すなって時は腕時計をパクるんだ」

 

刑事「それでどうしてお前がここのカギを持っている?クロードを殺した前か?後か?後だろ」

彼「……そうだよ」

刑事「考えていたのか?鍵を盗んで鍵を見せながらもし自分を助けないならこのことをばらすとでも言って脅したのか?判事がお前の客だってことがバレたらマスコミは大喜びだからな!」

 

彼「そうだ、読書をしたんだ。数ページ読んだけど、全然頭に入ってこなかった。友達から借りたんだ」

刑事「何をだ」

彼「何を?本に決まってんだろ!」

刑事「題名は?」

彼「さっきも言ったけど、頭に入ってこなかったんだよ!」

 

彼「記者にも電話したけど、出なかった」

刑事「電話?電話番号を知っているのか?どんな関係なんだ」

彼「言うわけないじゃん」

刑事「警察の番号も記者の番号も知っている?どんだけおおっぴらな関係なんだ?」

彼「あのさぁ、あんた、電話帳って知ってる?あれって、うんこを拭くためにあるんじゃないんだよ?」

 

彼「それから、あの人に電話した。誰も出なかった。そうだ、だから電話線を抜いたんだ。彼が出ないだけで狂いそうだった。電話線は簡単に抜けた。当たり前だ、だって引っ越した時に僕が設置したんだから。それからベッドに戻った」

 

彼「起きて発展場に行った。僕たちは発展場で出会ったから」

刑事「発展場で出会った?やっとお前と話が通じた!おまえは、クロードと発展場で出会ったんだな?」

彼「…そうだよ」

刑事「いいぞ!それで!」

彼「…」

刑事「…」

彼「…」

刑事「またダンマリか?おい、いい加減にしろよ!またダンマリ入りましたー!」(←これは大地くんの時でした)

 

刑事「人と会いたくないのに、どうして広場へ行った?」

彼「そこら中のそういう店を探した。でもいなかった。だから広場に行った。広場に行けば彼が僕を探しに来ているかもって。前の日言ったんだ、売りに行くって。すれ違ってると思った。探しに来てくれて、もしかしたらって」

刑事「クロードがお前を探したことがあるのか」

彼「ないよ…。でも、もしかしたら、って」

刑事「……本当にあの時、クロードが生きてると思ったのか」

彼「発展場にいたらそういう気持ちになったんだよ!みんなの笑い声、騒いでる声、イチャついてる声、そういうのを聞いてたら、全部嘘なんじゃないかって」

 

彼「僕の所為でクロードを泣かせる日があると、自分を許せなくて死にたくなる」

 

最後、刑事が

 

刑事「俺にはプライドがある!!お前が話をするなら、俺は何でもするからな!!」

 

って今までにないくらいキレて、珈琲を飲みながらイーブが自白、基クロードとの本当の関係を話すのを待つんです。

イーブにいい加減観念しろ!っていう意味で。

 

ここ10分くらい二人共静かで…いや、もしかしたら2、3分だったかもしれない。

とにかく長い時間に感じられるくらい長い時間静かで。

最初観た時、どっちかが台詞忘れて待ってるのかと思って、一人で慌ててました。それくらい長かったです。

 

椅子に座って俯いていたイーブが、観念したかのように小さな声で話し始める。

本当に小さな声で、耳を澄ましても聞こえないくらい小さな声なんです。台詞を言うというよりかは囁くような。

 

彼「僕は」

 

本当に本当にか細い声なんです。か細くて、今にも消えそうな。

多分この会場じゃなかったら絶対聞こえなかった、マイクなしだから余計に。

そして、お客さん全員が息をひそめる様に聞いていたからこそ聞こえたと思う。誰か一人が物音を立てたら聞こえないんです。

ちなみにマチネでは2列目だったのに聞こえなかった…っていうね…それくらいなんですよ…。

  

彼「薬でおかしくなんてなってない」

 

彼「もっと悪い」

 

彼「僕は 」

 

彼「愛してたんだ」

 

彼「いつもより実入りがいいから電話をして、あの人をディナーに誘おうと思った。あの人の家に行って、セックスをする、僕はそれを充電って呼んでた。夜、家に行くと机にはワインがあって、お風呂にはお湯が張ってあった。僕なんかのために準備をしてくれていて、もう幸せすぎておかしくなるんじゃないかと思った。小便がしたくて走ってトイレに行くと、お湯が溢れるのが見えた。トイレの前で彼に後ろから抱きしめられて、彼は首にキスをしてくれた」

 

彼「もし君があと5分くるのが遅かったらお風呂の栓を抜いていたって、彼は言ったんだ。僕は君の奥さんに思われるのが怖いんだ。僕がそういうのを嫌いなのを知っていた。だから、僕は君の兄弟になりたいんだって。彼は涙を浮かべながら言ったんだ」

 

彼「お風呂から出ると、料理とキャンドルが机の上に並んでた。それだけでもうこれ以上の幸せはないって思えた。電気を消そうと壁に行った、でも僕は電気を消さずに『キャンドルを付けたいけど、あなたの顔が見たいから電気をつけたままでキャンドルに火をつけてもいい?』って聞いたんだ。こんな阿呆みたいなことって思ったけど、あの人はそっと僕に近づいて首に両手を置いてから『阿呆みたいかもとは思うよ。でも君のようにしっかりとした分別があって阿呆みたいなこともできる人に僕は会ったことがない。それが君を愛する理由ではないけど、そういうところも愛してる』って言ったんだ。嬉しくておかしくなりそうだった。そのまま30分くらいキスをした。僕たちは何度もキスをして、パンケーキみたいにひっくり返って抱き合ってた。人生で初めて愛してるって思った」

 

彼「疲れきって吐きそうな時は、彼は本を読んでくれた。おとぎ話を。彼の声は心地よくて、彼の声ならキャロットケーキの作り方でも聞いていたくなるような声だった。開いた絵本を僕の胸の上に置いて、これじゃあ読めないねって言った。それからキスをしておやすみって。初めて仰向けで眠れた。その本を借りたけど彼が読んでくれたページから先は読んでない」

 

彼「机の上にあった皿…じゃない、皿は机に2枚あった、…ワイングラスだ、ワイングラスが落ちる音がした」

 

彼「僕たちは何度もイく寸前で止まった。それから顔を見合わせて笑った。確実にあの時僕は最高潮だった。ほら、よく死ぬときに走馬灯が見えるって言うだろう?僕はそれの逆で生まれたんだ。……未来が見えた」

 

彼「彼の大木のようなペニスが爆発した!!ナイフが彼の前髪をかすって落ちた。気がついたらナイフは手にあった。鳴き声が聞こえた。…気がついたら手の中にナイフはなかった。悲鳴が聞こえた。あの人は全身を震えさせてた。それから全身にキスをした。傷口にもキスをして、彼の血を飲んだ。彼の血が僕の全身に流れた。あの人は傷口を押さえてなかった。僕を抱きしめたまま死んだんだ。苦しんで死んだと思ったけど、あれは即死だったと思う。あの人は幸せなまま死んだんだ。僕が見た光景をみなずに死んだんだ」

 

彼「それから彼の目を閉じて、彼から離れた。シャワーを浴びて、キッチンで服を着た。それが彼を見た最後だった。それから家を出た」

 

彼「そうだよ、僕はセックス中毒だよ!男娼としてヤるのも、恋人とヤるのも全部同じじゃない!!でも、僕にとっては全部同じなんだ!!」

 

彼「さっき僕のことをくそったれって言ったね?それで腹がたつとでも思っているの?そんなのわかってる、そんなのいままで言われたことがないとでも思ってる!?」

 

彼「触られたくない時もあるし、触られたい時もある。触られたくない時は、触られないようにやるし、触って欲しい時は時間いっぱいまでやる。あいつはパンツを脱げって言う前から脳卒中で死ぬんじゃないかってくらい顔を真っ赤にさせて興奮してた。それから腕みたいに太いのをぶっこんで『もっともっともっと!!』って狂ったように叫ぶ。……でも2分でイッちゃう。イった後あいつは冷静になる。仕事、奥さん、子供、バレて世間からオカマ野郎って言われたらどうしようって。そう考えたら僕を無理矢理引っ張りだして、出てけ!!出てけ!!!出てけ出てけ!!!このクズ!!!…って家から追い出す」

 

彼「あんたは頭で考えることができる、でも僕にはケツしかない!!人には適正があって、それが僕はケツだったって話だよ!! 」

 

彼「何言ってるか分かってる?分かってんのか、分かんないよな。言い表す言葉が無いんだ、じゃあどうする?言葉は感覚を表現してくれるんだろ?学校で習ったんだろ?言葉が全てで、全ての物には名前がある。僕はフランスがどこにあるかさえ分からなかったんだ!」

 

彼「あんたがお腹いっぱいになった時か、ギィの紙がなくなったら言ってよ。そん時は話、やめるからさ」

 

彼「彼は綺麗なんだ。地平線から陽が昇って、なんていうのかな、水の中で泳いでるみたいな…だめだ、陳腐な言葉しか出てこない、考えれば考えるほど陳腐な言葉しか出てこない…。ムカツく、自分のこういうところに腹が立つ!なんて言うんだ、ダメだ!出てこない。なぁ、こういう時なんていうんだ。あんたたちはこういう時のために勉強してるんだろ!」

 

彼「人間はどうやって10分で愛を交わす?1日にどうやって5人をこなす?男娼は仕事なんだ、しょうがないだろ?人と関わりたかったらケツを売る。僕にはそれしかなかったんだよ!!」

 

彼「父さんと母さんの死に顔も見れなかったのに」

 

彼「陸にあがってた。もう溺れてなかった」

 

彼「僕の所為でクロードを泣かせる日があると、自分を許せなくて死にたくなる」

 

彼「あの人は、喜びの中で死んだんだ。自分の人生が薄汚れて行くのを見る事無く。あの人を、……愛してる」

 

彼「それから駅まで行って電話をかけてあとは話した。僕は姉さんの事を考えた。あんたに電話しなくちゃいけないって。だって考えてた事って言えば、…腐っちゃうって」

 

彼「…諦めたよ」

 

◇◇◇

 

机の上で座って叫んで大泣きしたイーブは終わってから放心状態になっているように見えた。

ゆっくり、本当にゆっくり、降りる仕草を見せたけど、マチネと比べてソワレでは中々降りれなくて、苦しそうだった。足が動かないって感覚に近いような。

5分くらいだったか、時間をかけて降りて、机の上に判事の部屋を鍵を投げ捨てる様に置いて、外に出て行く。

刑事はそれを追うかのように、自分のジャケットを持って、それからイーブが置いて行った鍵を手に持って見て、また机に置く。

外に出ようとしたけど、一回戻って、イーブが置いて行ったイーブの赤いジャケットを掴もうとする、ってとこで暗転。

キャストたちが出てきて、一礼して挨拶して終わり、って流れでした。

 

泣ける、とかそういうのじゃない。頭に入ってきて整理が終わらないうちに次々入ってきておかしくなりそうだった。難しいって言うのもあるけど、イーブの気持ちが知りたくて、分からなくて、もどかしい。

 

マチネは横からだったからステージ全体が見えず、気付かなかったんだけど、ステージを斜めにしてる理由は、ステージの前方にライトがあたっていて、それが窓の形をしているから、そこに立つと部屋の窓際にいるように見えるんですよ。

刑事の台詞の一つに「そこに立つとポリ公に写真撮られるぞ。さっきから3回もそこに立ってるだろ」ってあるんだけど、マチネの横から見てたら、あ、あそこが窓際なんだなって台詞によって理解した程度だったのが、ソワレ正面で観た時に、「あ、ライトが窓の形に…!」ってそこで「本当にそこは窓際だった」って気付いた。鳥肌立った。

 

あと、これは私の理解力の無さだったんですけど、ソワレの正面から観た時に、一番最初イーブが出てきて、部屋を開けて鍵を机の上に置いて、電話をかけて、切ってからしばらくして刑事が走って部屋にやってくる、っていう流れ、ここずっと意味がよくわかんなかったんですけど、ソワレ観て分かりました。

ここは判事の部屋で、あの鍵は最後に言った「盗んだ鍵」であって、最後に置いて行く鍵でもあったんですね…。

マチネの時に、横からだったので最初机に何置いたのか見えなくて、だから入ってきたのも普通にイーブの鍵だと思ってたんですけど、そうじゃなくて判事=イーブの客、その判事から盗んだ鍵だったんですね。

つまり、刑事が何度も「どうやってこの部屋に入った。どこで鍵を手に入れた」って台詞の答えは「客だった判事から盗んだ」になるっていう…ソワレ観て本当助かった!

 

話としてはイーブって純粋でクロードのことが好きで好きでって思うんですけど、それと同時にイーブって本当に可哀想でもあって。

判事の鍵を盗んで、この部屋で刑事と事情聴取するっていうのをマスコミに話して。

それも「もし刑事が自分を無理矢理外に出したら記事にして、もじ僕が自分から出たら記事にしないで」って、刑事が自分の話を納得しない限り、自分からは出て行かないってことかな。刑事が自分を無理矢理外に出すってことは問答無用で外に出すってことで話なんて聞かないってことじゃないですか。

だから、イーブは話を聞いてほしかったのかも。

刑事が「俺はお前が話すなら何でもやるぞ!」って言ったから話してくれたんじゃないかとも思ったり、思わなかったり。

難しいから、好き勝手言って全然解釈違ったらどうしよ。まぁいいや。

 

クロードは彼女がいながら発展場に行くってことは、男が好きと言うよりも何か探してたのかな。それこそ愛とか?発展場に求めるものじゃないけど。

イーブのクロードへの愛は崇拝に似てるところがある気がして。相手の幸せは自分の幸せで、自分の幸せは相手の幸せだと信じたい。っていう、これは日本で言う昔あった兄分と弟分の関係、らしいんですが(同行者:るるさん情報)

 

イーブの台詞に、

 

「クロードが妻みたいに思われたくないって言ったから、僕は兄弟だよねって言った。彼は涙を浮かべてた」

 

みたいな、みたいな台詞があるんです。アバウトすまん。もし全然違ったら申し訳ない。これ兄弟って言ったのクロードだったらどうしようもういいや。

 

これ最初「何で兄弟なんだろう」って不思議で。なんで恋人とかじゃなくて兄弟なのか。

 

クロードはイーブを奥さんにする=男娼をやめさせる、ってことで、でもイーブは兄弟=切れない絆、としての関係でいたかったのか、と。

まぁ、ここであんまり納得してなかったけど、イーブの

 

「僕はセックス中毒だよ!」

 

で、合点承知の助!って感じでピコーンとパズルがハマった気が。

単純に男娼をやめれないんじゃないか、と。セックス中毒ってことは、男娼をやめれない=妻にはなれない?のかな~難しくてわかんなくなってきた。

 

イーブの未来が見えたって、セックス中毒をやめれなくて男色してクロードを裏切る自分でも見えたのかな。二人の先のない未来が見えて殺したっていうのは、男と男の関係だから先が見えないんじゃなくて、イーブがクロードを自分の所為で(他の人とセックスしてしまう可能性)悲しませてしまう日がきてしまうのが怖くて殺したのかなって思いましたまる

 

観る前は、好きすぎて殺したとか、二人は男同士だから先が見えないから殺したとかそういうことだと思ってたんだけど、イーブは自分のこの生活の基盤が治せない、相手を悲しませたくないから殺したってことは、これも一つの愛かな。

 

あ、そう言えば台詞にあった。

 

「僕の所為でクロードを泣かせる日があると、自分を許せなくて死にたくなる」

 

イーブにとって、自分の所為で泣かせるなら、その未来が起きる前にクロードには見えないようにしてしまう、って言う結論が「死」かな。

 

 

聞き間違いの可能性があるので、もしかしたら全然違うかもですね!

困ったな!

 

※23日千秋楽行って、台詞全然違いました!

 

本当は千秋楽行くつもりじゃなかったんですが、どうしても後1回観たくてもう二度とこのメンバーで観れることはないんじゃないかと思ったら居ても経ってもいられなくなって、水曜日のお昼に「行くしかない!」……気付いたら高速バス予約してました。

チケットは当日券並ぼうと思ったんですが、優しい方に譲っていただけて、無事に…。

まさか土曜日行って、その次の木曜日にまた東京とは…ちなみにバスで片道4時間です。

でも、作品は一期一会ですからね!次再演あったとしても、このメンバーじゃないと今のクロードが観たいという欲望を叶えることはできないので…しかし自分の行動力ェ…。

 

ずっと、クロードが「奥さんになってほしい」って言っていたと思ったんですけど、そうじゃなくて、「イーブの奥さんだと思われるのが怖いんだ」って言ってたんです。

クロードは自分がイーブの奥さんだと思われたくない、お節介をしてそういう風に誰かから思われるのは嫌だっていう。

でもこれって、イーブがそう言う勘違いを人からされたくないからっていうことでの想いだってことで、これはクロードの気遣いだった。

イーブは他人からそういう風に思われるのが好きじゃない、だから奥さんみたいなことをして誰かに思われたら、イーブに思われたら駄目だ、でもお風呂にお湯を入れてあげたい、イーブのために。

お風呂を入れて待ってることは、奥さんが旦那さんを待っているみたいですからね。もしイーブが機嫌を悪くしたらどうしよう、とでも思ったのかなぁ。

 

「ほら、よく死ぬときに走馬灯が見えるって言えるだろう?僕はそれの逆で生まれたんだ。未来が見えた」って台詞がよく分からなかったんですけど、

死ぬ=走馬灯=過去

の法則で行くと、

生まれる=未来

になって、台詞の通り「未来が見えた」になると思って。

その未来っていうのがイーブがクロードを殺す理由なんだとしたら、って思ったんですけど、きっとイーブに計画性はなかったと思う。計画なんてあったらクロードを殺した後に探しに行ったり、電話をかけたりしない。

判事の鍵を盗んだのは、ただ単に自分と判事の関係がバレれば、判事が社会から消される、言わば復讐な気がして。

判事との情事を辛そうに言っていたから、イーブは判事のこと嫌いだったんだろうな、と。

 

本当にあの一瞬、クロードの目を見た時に「この先きっとクロードとはいれない」と思ったのかな。

未来って、ハッキリとしたことじゃなくて、やっぱりモヤモヤとした「不安」だったのかな。クロードと自分が違う生き方をしていること、「あの人は綺麗なんだ」自分は体を売っているけど、やっぱりクロードはどこか別の世界で自分とは違うって、現実を見てしまったのか。

「陸にあがってた。もう溺れてなかった」

愛に溺れてたけど、現実を見たってことなんだろうか。

 

未来が不安だから殺した、と言うよりも、これから先一緒に生きていけないならこの手で先に、っていう気持ちの方が大きい気がする。愛してたからこそ殺してしまった。

 

「彼を、…愛してる」

 

同じ日のマチソワを見て、ここまで短時間で人が成長する演技をできるんだなと驚きがまず第一。

マチネとソワレでまったく違う話に見えた。もちろん刑事が違う、というのもあったけど、イーブの凌くんがマチネから数倍いい演技をソワレで魅せてくれて、おかげでまったく違う作品に感じた! 

刑事役と速記者のスウィッチキャスティングは本当に良かった。唐橋さんと大地くんで本当によかった、だって全然違う舞台に感じれる。

 

沢山の舞台やお芝居を見てきたけど、毎日でも見たいと思う、こんなことを思う舞台は初めてで、本当に本当に大好きな作品になりました。

 

凌くん以外の方も素敵な役者さんばかりで、とても魅力的でした。

 

マチネは唐橋さんが刑事で、唐橋刑事vsイーブ。

ソワレは大地くんで大地刑事vsイーブ

 

唐橋さんの刑事はとにかく怒鳴る、怒る、怖い。

イーブが「何回言わせるんだよ」って言った時に、「お前が何も言わねぇからだろ!」って36時間事情聴取してきた結果を聞かせるシーンがあって。

そこで速記者が書いた紙持って、イーブのところに近づいて、椅子に座ってうなだれてるイーブの顔に無理矢理紙を近づかせて、

 

唐橋刑事「もう36時間だぞ!?土曜の深夜にお前が俺たちを呼び出して、今何時だと思う?月曜の朝だ!それなのに話は土曜日からまったく進んでいない!『名前は?』『言いたくない』『職業は?』『ファック!』『何でその仕事をしている?』『男娼は生きること』どうして何も言わないんだ!」

って言うんだけど、ここが凄く怖くて。

そして、イーブは聞きたくない、みたいな仕草をする。

でも、大地くんの刑事はここのシーン、普通に紙を持って、座るイーブに優しく聞かせる様に読み上げる。

イーブは平然と大地くんの話を聞いてる。

ここのシーンの二人が全然違くてびっくり。真逆な刑事だった。

唐橋さんの刑事は怒鳴って責める刑事で、大地くんの刑事は静かに威圧で怒る刑事だと思った。

普段怒らない人ほど怖いタイプが見た目優しそうな大地くんと合ってた。

その所為か、唐橋さんが刑事の時の凌くんは暴れ方が少なくて、大地くんが刑事の時は、机の上にあった紙を全部下に落とす、自分でかけたジャケット投げる、顔真っ赤にして号泣してて、凄かった。

そして、凌くんが時折袖を伸ばして袖で鼻を擦ってたのも、大地くんの時だった。

ここのイーブは可愛いなぁって思いました。

 

イーブが不細工な客(多分判事?のことかな)を相手にした時の話も、

「『もっともっともっともっと!』って」

って、机に腰ガンガン打ち付けて後ろから挿れられてる描写があるんだけど、感情が大地くんの時は激しくて、違いがこんなに出るんだって。

唐橋さんの時は「もっと」が2回だったんだけど、大地くんの時は4回言ってたし、大地くんの時は凌くんの声が叫び声に、むしろ怒鳴り声に近くて「もっと」って単語が聞こえないくらいだった。

 

クロードとのセックスしてる時の話をする時に、倒れこんだんだけど、マチネの時に斜め前で倒れて…。

丁度体が私が観てる角度と向かい合って倒れこんでるから、服の中が見えて。

あのー、非常にすみませんでした(1枚しか服を着てないので中が全部見えてました)

ソワレでは中に赤のタンクトップだか着てたので、もしかして見ちゃダメだったのかな?と思ったんですが、どうやら唐橋さんが刑事の時は着ないで、大地くんが刑事の時は着てるみたいです。

何故だ…。公式さんに聞きたい。

 

イーブが「だったら!判事に聞けば?」

って机の上に足を置いて刑事を馬鹿にするところ。

「もういっぺん言ってみろ!!どたまかちわんぞ!!」

って刑事がキレるんだけど、

唐橋さんは「どたまかちわんぞ!!」って、怒鳴ると言うか叫ぶ感じで怒るんだけど、大地くんは静かに冷静に「今なんつった?…どたまかちわんぞ?」って感じで、ひえー!!!全然違う!!!ってびっくり!!

本当対照的な刑事だなって。

 

あ、でも二人共速記者は同じ感じ。静かで物腰が優しそうな。

でも、大地くんの速記者は真面目エリートマン風だけど、唐橋さんは少しドジっ子な速記者って感じで唐橋さんの速記者可愛いなって印象。

 

警備員のハルニさんが面白くて。

マチでは入ってくる時「扉が」って扉が開かない、みたいなこと言うからそういう演出だと思ったら、ソワレでは普通に入ってきて、まさかのマジで開けるのしくったんかーい!

演出で笑っちゃダメだと思って耐えたのに。

 

刑事が家族に電話したいから、イーブに一回外に出て行ってもらいたくて嘘で警備員に「トイレに行きたいそうだ」って言って連れて行ってもらう様に言うんだけど、

警備員「大ですか?小ですか?」って聞いてきて。

ここの唐橋刑事と大地刑事がまた違くて。

 

唐橋さん

警備員「大ですか?小ですか?」

刑事「……」

警備員「大ですか?小ですか?(小声)」

刑事「…俺じゃねーよ」

警備員「(イーブに向かって)大ですか?小で」

刑事「もういいから行け!」

 

大地くん

警備員「大ですか?小ですか?」

刑事「どっちでも行けばかわんねぇだろ」

警備員「そうでした」

 

って…。

ここの大地くんちょっと笑っててホッとした。出演者が少し笑ってると安心する。ずっと気が抜けないから、出演者と一緒の気持ちって言うか。

 

で、その後に、刑事が外線(家族に電話かけるために)にかけるためにはどうすればいいのかって警備員に聞くんだけど、ここもマチソワ、ハルニさんのアドリブ?というか、違った。

 

唐橋さん

刑事「外線は頭に9か?」

警備員「あ、今確認しますね…もしもし、事務局ですか?あ、何か声が遠くて、もしもーし、あ、受話器逆だった…あ、もしもし?逆だったごめんごめん(電話切る)」

刑事「あ、おい!」

警備員「あ、切っちゃいました」

刑事「もういい!」

 

大地くん

刑事「外線は頭に9か?」

警備員「電話して確認しますね。あ、もしもし、あ、事務局長お久しぶりです。あ、はい、お世話になってます〜はい、あれですね、またまた〜はい、はい、じゃあ、また宜しくお願いします〜」(電話切る)

刑事「……で、外線は頭に9でいいのか?」

警備員「た、多分?」

 

ここでも二人の違いが。

大地くんの冷静な「外線は頭に9でいいのか?」が怖すぎた。

大地くんの時、大地くん笑いそうなの必死に堪えてそうで、で、外に出るための扉がステージの奥にあるんだけど、そこに立ってる凌くんも笑いそうなの多分堪えてたのか俯いてて。

多分笑いそうなの堪えてる顔すらもできないから必死に隠してたと思われ。

 

こういう笑えるシーンもあるんだけど、脳内では笑っても、どうしても表情に出せない。ずっと緊張してるから急に変われない。難しい。でも脳内ではちゃんと大爆笑でした。

 

家に帰ってからパンフ特典のDVDを見ると、台本読みの時にまさかのWBに流れが書いてあったので、必死に読み取ったのでその流れも書いとく。

DVDの見える角度によってもしかしたら文章違うかも。

 

▽▽▽

1967年 3月 クロード、イーブと出会う@ハッテン場

4月

6月~ クロードの日記にイーブ登場

          彼女よりイーブ

7月1日(木)夕刻

・イーブ広場出る→クロード家へ

・クロード家到着(19:00~21:00 夕食)

×イーブ、クロード殺害

・シャワーを浴びて家を出る 21:00頃

・ジャリ駅~ボナヴァンチュール駅→歩いてランスドーヌのフェンス

・フォーラムまで走った、アレクシス日本ビルでTEL→クロードの家 22:10クロードへ

・セントキャサリンの公園のベンチ 24:00

アメリカ人に会う、お持ち帰り、ヤらないで金置いて帰る

・2人目の客=判事@公園→カギ盗んだ

 

7月2日

5:30 イーブ帰宅

~ ポールクローデル読む

6:30 寝る

9:30 胃痛で目覚める

     ドアのベル壊し、線抜き

7月3日 23:00まで断続的に寝る

23:00 ポリにTEL

      記者にTEL

      イーブ、判事のオフィスへ

▽▽▽

 

と、見える限りではこう書いてあったので、流れとしてはこうなのかな。

6月の「彼女よりイーブ」って言うのが引っかかるんだけど、もしかしたら6月の時点でクロードは彼女よりもイーブを優先させる何かがあったのかもしれない。

ポールクローデルは、調べたら実在するカナダの作家さんで、奥さんがいても男の人と関係を持ったことがある、脚本などを書いてる方らしい。

舞台中に本の名前は出て来ないんだけど、もしかしたら原作の方には出てくるのかな。

個人的には「ヤらないで帰る」って文章爆笑しました。DVD持ってる方は見てみてください。

 

最後の自白のシーンは、凌くんは机に座りながら全部を打ち明けて、外に出て行くんだけど、大泣きして叫んだ後だったからなのか、机から中々降りることができなくて、観てて辛かった。

真っ赤な顔をして大泣きしているの観たら、演技を通り越して本当にイーブになってた。

マチネでは自白したらすぐ外に出て行ってたんけど、ソワレは、中々動けなさそうで。

凌くんが今にも消えそうだった。

だからこそ、息をするのも忘れて見惚れていた。

静かにつぶやき始めて、笑いながらクロードのことを話す。

発狂して紙を撒き散らかす、自分のジャケットを投げる、しゃがむ、泣く、笑う、倒れる、机の上に座る、セックスを再現する、語る、目を瞑る、すべての行動に引き込まれた。

机を降りて鍵を置いて出て行く時のイーブの仕草、後ろ姿が忘れられない。目に焼き付いて、思い出すたびに泣きたくなる。無性に。

刑事が言った「抱きしめたくなる」イーブの背中もそう。

 

 

見てから少し日が経ってるけど、未だに観劇した時のことが忘れられない。それは眠れないくらいに。困った。

あの時の台詞、曲、客席の息の詰まる空間が離れない。

 

凌くんはマチネでもソワレでも噛んでたんだけど、ソワレの噛み方は異常だった、というか、台詞だけがどんどん出てくるけどそれについていけなかったというか。

噛んで台詞が止まった。言い直せばいいのに、その言い直しさえも噛んだ。でもそれがこの時では良かったかもしれない。

間違えて噛んだと言うよりも、わー!って話してたら呂律が回らなかったって言ったほうが正しいかも。なんか怒ったときに、考えてることよりも先にバーっと口が勝手に動くあの現象に似てた気がする。

あれがヒートアップしすぎて止められなくて、口が追いつけなかったみたいな。

やっぱり舞台は生ものなので、説明できないですね、これは。

 

会場はこの会場でなければできなかったと思うくらい素晴らしい会場だった。

ステージが斜めになっているので立体的に感じるし、自然と引き込まれた。

 

素晴らしい舞台を有難うございました。

キャストが素晴らしすぎて何も言えない。充実感、圧巻、全部詰まってる。

 

クロードと一緒にという舞台に出会えて幸せです。

有難うございました!